フリーランスお役立ち情報
【働き方比較】起業vsフリーランス!
メリット・デメリットと選び方を解説
「自分の理想の働き方ってなんだろう?」
そう考えたことはありませんか?近年、働き方の選択肢は多様化し、特に注目されているのが「起業」と「フリーランス」です。自分の裁量で道を切り拓く魅力がある一方で、その違いや、どちらが自分に合っているのか悩む方もいるでしょう。
本記事では、起業とフリーランスの定義から、それぞれのメリット・デメリット、どんな人が向いているのかを徹底比較します。さらに、後悔しない働き方を見つけるための重要なポイントもまとめました。
この記事を読めば、あなたにとって最適な働き方を見つけるヒントが見つかるはずです。ぜひ、参考にしてみてください。
起業の定義と特徴
まずは、起業の定義と特徴、メリット・デメリットなどを紹介します。
起業とは
起業とは、既存の枠組みにとらわれず、自らのアイデアや構想に基づき、新たな事業を創造することです。会社に就職するのではなく、自分で事業を運営していく活動全般を指します。単に収入を得るための手段としてだけでなく、自身の理想や価値観を社会に実装していく側面も持ち合わせています。
法人設立の形態を取ることもあれば、個人事業主としてスタートすることもありますが、根底にあるのは「自ら事業を立ち上げて成長させていく」という強い意志です。市場のニーズを捉え、革新的な商品やサービスを提供することで、社会に新たな価値を生み出すことを目指します。
起業の特徴
起業の最も際立った特徴は、事業のあらゆる側面において、創業者自身が主導権を握れる点です。事業の方向性や戦略、組織設計や意思決定など、全てを自分自身で行えます。
この自由度の高さは起業の大きな魅力である一方、全ての責任を自身が負わなければならない側面もあり、十分な注意が必要です。また、事業の成長段階に応じて組織を拡大したり、新たな事業領域に進出したりと、ダイナミックな展開も可能です。不確実性の高い環境下で、自らの手で未来を切り開いていく醍醐味を味わえます。
起業のメリット
起業のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
・自身のアイデアを形にして社会に影響を与えられる
・成功すれば収入の大幅な増加が見込める
・時間的な自由が得られる可能性がある
・従業員の雇用による社会貢献ができる
・自分の理想とする組織文化や働き方を創れる
・失敗から学びながら成長できる
自身の独創的なアイデアを具現化し、それが社会に受け入れられた時の達成感は、何物にも代えがたいものです。事業が成功すれば経済的な成功はもちろんのこと、時間的な自由を手に入れる可能性も広がります。
また、雇用を創出することで社会貢献を実感できるのもメリットです。自分の理想とする組織文化や働き方を創り上げられるのも、起業ならではの魅力と言えるでしょう。失敗から学び、成長していく過程そのものも、自身の大きな財産となります。
起業のデメリット
起業には多くのメリットがある一方、以下のようなデメリットも存在します。メリット・デメリットの双方を理解し、検討しましょう。
・初期投資や運転資金の調達が必要になる
・収入の不安定さなどの経済的リスクがある
・経営・営業・経理など業務負担が大きい
・精神的な負担が大きい
・事業がうまくいかない場合は経済的損失がある
・準備に多くの時間と労力がかかる
起業には資金調達や市場調査、事業計画の策定や法的手続きなど、多くの準備と労力が求められます。初期投資や運転資金の確保は大きな課題となることが多く、事業が軌道に乗るまでは収入が不安定になるリスクも伴うでしょう。
また、経営者として営業・マーケティング・財務・人事など、多岐にわたる業務をこなす必要があり、精神的または肉体的な負担も大きくなりがちです。事業がうまくいかない場合の経済的な損失にも、覚悟しなければなりません。
起業が向いている人
起業は、以下のような方に向いています。
・強い情熱と明確なビジョンを持つ人
・困難を乗り越える精神力がある人
・リーダーシップを発揮して人を巻き込める人
・現状維持を好まずに常に新しいことに挑戦したい人
・粘り強く目標に向かって努力できる人
起業に向いているのは現状維持を好まず、常に新しいことに挑戦したい強い意欲を持つ人です。困難な状況に直面しても諦めずに、粘り強く目標に向かって努力できる精神力も求められます。
また、周囲を巻き込んで共に行動できるリーダーシップ、コミュニケーション能力も必要です。何よりも実現したい明確なビジョンと、それを実現するための情熱を持っていることが、起業を成功させるための最も重要な要素と言えるでしょう。
フリーランスの定義と特徴
続いて、フリーランスの定義と特徴、そしてメリット・デメリットを紹介します。起業と比較しながら、どちらが向いているのか検討してみてください。
フリーランスとは
フリーランスは、特定の企業や組織に専属で雇用されるのではなく、個人として独立して仕事をする働き方を指します。自身のスキルや専門知識、経験を活かして複数のクライアントから業務委託を受けたり、プロジェクト単位で契約を結んだりして収入を得る働き方です。
働き方改革やテクノロジーの進化に伴い、多様な働き方の1つとして注目を集めています。個人事業主として活動するのが一般的ですが、近年では法人化するフリーランスも少なくありません。
フリーランスの特徴
フリーランスの最大の特徴は働く時間や場所、仕事内容などを比較的自由に選択できることです。Webデザイナーやフロントエンドエンジニアなど、各各職業の知識や経験があれば、自分で仕事を獲得しながら業務をこなしていけます。
自分のライフスタイルや価値観に合わせて、柔軟な働き方を実現しやすいのが魅力です。一方で、仕事の獲得から納品・請求・入金管理まで、全ての業務を自分自身で行う必要があります。また、収入は仕事の量や単価、自身の交渉力によって大きく変動するため、自己管理能力が非常に重要となる働き方です。
フリーランスのメリット
フリーランスになるメリットは、以下の通りです。
・時間や場所に縛られない働き方ができる
・得意な分野に特化して仕事を選べる
・スキルアップやキャリア形成がしやすい
・組織内の人間関係のストレスが少ない場合がある
・自分のペースで仕事を進めやすい
時間や場所に縛られない働き方ができるため、自分のペースで仕事を進めやすく、ワークライフバランスを重視する人にとっては大きなメリットとなります。得意な分野や興味のある仕事を選んで取り組むことができるため、スキルアップやキャリア形成にも繋がりやすいでしょう。
また、組織内の人間関係に煩わされることが少ないと感じる人も多くいます。自分の裁量で仕事を進められるため、責任感と達成感を得やすいのも特徴です。
フリーランスのデメリット
フリーランスのデメリットは、以下の通りです。
・収入が不安定になりがち
・社会保険や福利厚生は基本的に自己負担
・確定申告などの事務作業を自分で行う必要がある
・孤独を感じやすい場合がある
・仕事の獲得を常に意識する必要がある
収入が安定しにくい点が、フリーランスの大きなデメリットの1つです。仕事が途切れてしまうリスクや、収入が大幅に減少する可能性も常にあります。
また、会社員のような社会保険や福利厚生はなく、基本的に自己負担となるため、自分で加入手続きを行って保険料を支払わなければなりません。確定申告などの事務作業も全て自分で行わなければならないほか、孤独を感じやすい側面もあります。
フリーランスが向いている人
フリーランスは、以下のような方に向いています。
・自律性が高い人
・自己管理能力が高い人
・特定のスキルや経験を持っている人
・柔軟な働き方を重視する人
・コミュニケーション能力が高い人
・変化に柔軟に対応できる人
フリーランスとして活躍するためには自律性が高く、自分で仕事を見つけ、計画的に実行できる自己管理能力が不可欠です。コミュニケーション能力も重要で、クライアントとの良好な関係を築き、円滑に業務を進める必要があります。
また、特定の分野で専門的なスキルや経験を持ち、それを活かして仕事を得られる人もフリーランスにおすすめです。例えば、WebディレクターやWebマーケターなどは、経験や知識のある方でなければ、フリーランスとして活躍できません。ある程度の経験があり、自分で仕事を獲得できる環境の方は、フリーランスを目指してみるのも良いでしょう。
起業とフリーランスの働き方を徹底比較!
続いて、起業とフリーランスの働き方を比較してみましょう。
| 比較項目 | 起業 | フリーランス |
|---|---|---|
| 目的 | 事業の成長・拡大 社会への貢献 |
自由な働き方 スキルを活かした高収入 |
| 組織 | 組織を構築 | 基本的に個人 |
| 責任 | 経営者としての責任 組織全体の責任 |
個人としての責任 |
| 収入 | 軌道に乗れば高収入 不安定な側面も |
安定しない場合もある スキル次第で高収入も |
| 自由度 | 経営方針による | 時間や場所の自由度が高い |
| 初期投資 | 大きくなることが多い | 比較的少ない |
| 事務作業・営業 | 組織で分担 | 基本的に自分で行う |
| リスク | 大きい | 比較的少ない |
起業は、自分の理想やビジョンを形にでき、事業が成功すれば大きな達成感と収入を得られる働き方です。しかし、資金調達や経営など責任範囲が広く、事業が軌道に乗るまでは不安定な時期もあります。
一方、フリーランスは個人で仕事をする働き方で、時間や場所の自由度が高いのが魅力です。自分のスキルを活かして仕事を選べますが、収入は仕事量に左右され、社会保険などは自己負担となります。どちらの働き方も魅力がありますが、自身の価値観やライフスタイルに合わせて選択することが重要です。
【後悔しないために】自分に合う働き方を見極めるポイント
フリーランスと起業、どちらが自分に合っているのか見極めたいときは、以下のポイントを踏まえて検討してみてください。
・理想の働き方をイメージする
・譲れない条件を決めて「働き方の軸」を定める
・自身の価値観を掘り下げる
・将来のビジョンを描く
・それぞれの「リアル」を知る
それぞれの内容を見ていきましょう。
理想の働き方をイメージする
まず、どのような働き方を理想としているのか、具体的にイメージしてみましょう。
「時間や場所に縛られず自由に働きたい」
「自分の裁量で仕事を進めたい」
「社会に大きな影響を与えたい」
「安定した収入を得たい」
上記のような内容をはじめ、どんな些細なことでも構いません。朝型か夜型か、一人で黙々と作業したいか、チームで協力したいかなども含めて考えると、より鮮明なイメージが湧きやすくなります。どんな風に働きたいかを描くことが、最初の重要なステップです。理想の働き方を具体的に思い描けば、どちらが自分に合っているか分かるでしょう。
譲れない条件を決めて「働き方の軸」を定める
次に、あなたの働き方において「これだけは譲れない」という条件を明確にしましょう。例えば、収入の安定性やワークライフバランス、仕事内容の自由度など、何を最も重視するかを考えます。この譲れない条件は、あなたの「働き方の軸」となるものです。
軸が定まれば、起業とフリーランスのどちらがより自分の条件に合致しているかを判断しやすくなります。複数の条件がある場合は、それぞれの優先順位をつけることも有効です。軸を持つことで情報に惑わされることなく、自分にとって本当に重要な要素に基づいて働き方を選択できるようになります。
自身の価値観を掘り下げる
自分に合った働き方を見つけるためには、自身の根源的な価値観を深く理解することが不可欠です。「何を大切にしたいのか」「何に喜びを感じるのか」「どのような貢献をしたいのか」といった問いに向き合うことで、働き方を選ぶ上での判断基準が見えてきます。
例えば、自由や創造性を重視するならフリーランス、影響力や達成感を重視するなら起業、といった傾向が見えてくるかもしれません。自分の価値観を理解すれば、単に条件面だけでなく、精神的な満足度も高い働き方を選べるようになります。自己分析を通して、本当に大切にしたい価値観を見つけ出しましょう。
将来のビジョンを描く
短期的な視点だけでなく、中長期的な将来のビジョンを描くことも、後悔しない働き方を選ぶ上で重要です。「数年後、どんな自分になっていたいか」「どんなキャリアを築いていたいか」「どんなライフスタイルを送りたいか」といった未来の姿を想像してみましょう。
起業であれば、事業をどのように成長させていきたいか、フリーランスであれば、どのようなスキルを身につけ、どんな働き方を実現したいかといった具体的なビジョンを持つことが大切です。将来のビジョンを描けば、今選択すべき働き方が見えてきます。
それぞれの「リアル」を知る
最後に、起業とフリーランスそれぞれの「リアル」な側面を理解することが重要です。華やかなイメージだけでなく、実際にどのような苦労や困難があるのか、具体的な働き方や収入、生活スタイルはどうなのかなど、現実的な情報を集めましょう。
経験者の話を聞いたり、関連書籍や記事を読んだりするのもおすすめです。理想と現実のギャップを理解することで、より現実的で納得のいく選択ができます。メリットだけでなく、デメリットや大変な側面も理解した上で、どちらの働き方が自分にとってより合っているのかを慎重に検討しましょう。
起業における個人事業主と法人の違い
起業をする場合、主に個人事業主として活動するか、会社を立ち上げて法人化するかの2つの選択肢があります。それぞれの違いを簡単に見ていきましょう。
納める税金の違い
個人事業主と法人では、納める税金の種類と計算方法が大きく異なります。個人事業主の場合、事業で得た所得は個人の所得と合算され、所得税として累進課税で課税されるのが基本です。一方、法人の場合は事業で得た利益に対して法人税や法人住民税、法人事業税などが課税されます。所得税の累進課税率は所得に応じて高くなりますが、法人税率は一定です。
また、個人の場合は所得が一定額を超えると税負担が重くなる傾向がありますが、法人では役員報酬として個人の所得を調整することで税負担をコントロールできます。消費税の納税義務が発生する条件も、個人事業主と法人で異なるため、慎重な検討が必要です。
経費計上できる内容の違い
経費として認められる範囲は、個人事業主と法人で共通する部分も多いですが、一部異なる点があります。一般的に、法人のほうが経費として認められる範囲が広い傾向です。例えば、個人事業主では原則として認められない生命保険料の一部や、役員に対する社宅の提供などが法人の場合は経費として認められることがあります。
また、家族への給与についても、個人事業主の場合は配偶者や親族への給与を経費とするには一定の条件がありますが、法人の場合はより柔軟に認められる場合があります。ただし、いずれの場合も、事業遂行に必要な支出であることが大前提です。経費計上の範囲の違いは税負担にも影響するため、事前にしっかりと確認しましょう。
起業と開業の違い
続いて、起業と開業の違いも簡単に紹介します。
起業とは
起業とは、一般的に新しい事業を始めることを指します。単にビジネスを始めるだけでなく、革新的なアイデアや独自のビジネスモデルを基に、新たな価値を創造して市場を開拓していくニュアンスです。
法人を設立する場合もあれば、個人事業として始める場合もありますが、「新しい何かを生み出す」という点が強調されます。既存の事業を承継する場合、フランチャイズに加盟する場合などは、一般的に「起業」とは呼ばれません。
開業とは
開業とは、すでに存在する事業を始めることを指します。例えば、個人が新たに店舗を構えてビジネスをスタートする場合、医師や弁護士などが事務所を開設する場合などが該当します。個人事業主として、ビジネスを始める際にも使われることが多い言葉です。
また、法人を設立する場合でも、「○○株式会社を開業する」というように使われることがあります。重要なのは、「既存の事業の形態でビジネスを始める」という点です。起業のように、必ずしも新しい価値創造や革新性を伴うとは限りません。手続きとしては、税務署への開業届の提出などが主なものとなります。
フリーランスが開業して法人化するまでの流れ
フリーランスが事業を拡大し、法人化を検討する場合は一般的に以下の流れで進みます。
1. 法人化の検討と準備
2. 会社設立手続き
3. 設立後の手続き
4. 事業の移行
まず、法人化のメリット・デメリットを十分に理解し、事業規模や将来の展望を踏まえて法人化するかどうかを検討します。税理士など、専門家への相談も有効です。法人化を決めたら、会社の基本事項を決定します。
続いて、決定した基本事項に基づき、定款を作成して公証役場の認証を受けましょう。その後、資本金を払い込み、法務局へ設立登記の申請を行います。登記が完了すると、会社の謄本が取得できるようになる流れです。
設立後は各種手続き、届け出などを行います。最後に、個人事業で行ってきた事業を法人へ移行したり、銀行口座も法人名義のものを作成したりすれば完了です。
自分らしい働き方で理想を目指そう
起業とフリーランスは、どちらも魅力的な働き方ですが、合うかどうかは人それぞれです。起業は自身のアイデアで社会を変える可能性を秘めている一方、リスクと責任も伴います。フリーランスは自由な働き方が魅力ですが、収入は不安定になりがちです。
後悔しないためには、まず理想の働き方を思い描き、譲れない条件を明確にしましょう。自分の価値観や将来のビジョンと照らし合わせることで、どちらの道がより自分に合っているかが見えてきます。
大切なのは、それぞれの働き方の現実を知り、メリット・デメリットを理解した上で選択することです。「自分らしい働き方」は、1つではありません。あなたの理想を実現できる働き方を見つけて、一歩踏み出しましょう。